旅やイベントの思い出を、動画におさめる人は多いですよね。
スマートフォンのカメラの高性能化やクラウドとの連携によって、
動画の撮影は誰でもいつでも簡単に、そして無制限に行うことができるようになりました。
撮影したムービーを再生した時、
自分の声を聴いて「ん、誰だよこいつ!?」
「私の声、思ってたのと違う……」って思った経験はありませんか?
それってどうしてなんだろう?
そもそも私たちが器用に話せるわけ
この世界には何万種類もの動物がいます。小鳥のさえずりや虫の鳴き声、イルカのエコロケーションなど、
音を使ってコミュニケーションをする生物は多いものです。
しかし、複雑な音声を発する動物はわたしたちヒトくらいです。
ではどうして私たちは器用に話すことができるのでしょうか。
頸椎(けいつい)の形状が独特だから
ヒトが言語を獲得するに至った経緯を簡単にみてみましょう。・二足歩行するようになる
↓
・脳の肥大化、処理の複雑化
↓
・言語の獲得
こは、首の後ろにある頸椎の形状変化が理由なのだとか。
霊長類の喉頭(のど仏)は 7センチメートルだったが、
わたしたちヒトはなんと11~17センチメートルにまで肥大化!
喉頭は声帯を留めているので、声帯を上手く使えるように!
咽頭が下りてきたから
二足歩行により咽頭(喉仏)の位置が下がって、スペースができた。これにより、短い間に複数の音を続けて速く発せるようになった!
私たちが発する声とは
コミュニケーションのための声
私たち人間は、意思や情報など多くのデータを言葉で伝えている。自分という存在を表現する社会的意味をもっている。
仮面をかぶった私たちの声
よく、ぶりっ子した話し方をが鼻につく人ていませんか?意中の男性の前だと声の高さが(無意識に)あがる女性とか、
ぶりっこじゃなくても、
子供を前にすると猫なで声になったりしたりとか。
声は他人に向けて発せられることがほとんど。
だから声は、人と仲良くなるための方法。
それはまさに猿の毛づくろいを言葉で行っているようなものなのだとか。
自分の声に違和感がある理由
それでは本題です。どうして私たちは自分の声を聞くと違和感を覚えるのでしょうか?
発せられる外向きの声ー社会的仮面をかぶっている
www.tedobu.com私たちは自分自身を、声を使って社会に投影している。
肺から出た空気が声帯を振動させて、声となる仕組みはみんな同じ。
しかし、声はおのおの異なる!
私たちの脳は他者の声の違いを認知するのが得意だ
(体格・生理機能・ホルモンレベルの個人差が影響)
これは他人が聞く自分の声についてであって、
自分自身は聞くことができない。
自分が聞いている自分の声は、他者が聞いている声とは違う
自分が聞こえる内向きの声
骨を伝わって聞こえてくる!外向きの声は空気を震わせて聞こえてくるが、
内向きの声は頭蓋骨の骨伝導である。
自分が発した実際の声よりも低く響く。
また、自分の声が鼓膜から内耳へ伝わる際に内耳を保護しようとする仕組みがはたらいていて、これが影響している。
つまり、自分が実際に発する声と同時に聞こえている自分の声が、
もともと違うからなんですね!
自分の声はフィルターによって加工されている
自分が聞いている自分の声が、発せられた自分の声と異なるメカニズムについてまとめてみました。
生理的システム 慣れた声とよく聞く声ではたらきが違う
蝸牛という器官は内耳にあって音を処理するここの細胞は音が聞こえる頻度によって働きが違う。
自分の声は人生の中で 最も多く聞く音だが、
認知の過程で加工されているので、他者が聞いている声とかけはなれている。
神経学的システム
私たちが声を出すとき、本人の脳の聴覚器官は停止している。自分が発している時、脳は声をちゃんと認識していない!
音声でない心の声、内声
本を黙読していたり、今夜の献立を考えたりしている時に、頭の中でしゃべっていることって結構多いですよね?
その声が内声です。
心の中の独り言って、声としての"音"があったりしませんか?
その内声と実際の声のギャップが違和感を生んでいる。
まとめ
私たちが発した声と、聴いている声は異なっている。ムービーを通して聞く自分の声は、普段は聞けない他者側の声である。
そのギャップが、自分の声への違和感を生んでいる。
自分の声が発した声と異なって聞こえるのは、生理的・神経的システムがはたらいているから。
スピーチについて
自分の声が嫌いな理由については説明が不十分に感じました。
自分の発している声を聴く機会(接触する機会)が少なく、親しみを感じにくいから嫌だということなのかな?