では仲間や味方はどうやってつくるのか。
会話です。
実際はどうでしょう?
多くの人が上手な会話をできていません。
他者との会話に自信がなくてコンプレックスを抱える人もいます。
長年ラジオ番組の名司会者として活躍してきたセレステ・ヘッドリーは、現代の人々が会話を苦手とするのは仕方がないことだという。
SNSやインターネットの普及によって、会話の機会が減っているからです。
しかし、誰でもコツを知れば上手に話せるようになるのだという。
名ラジオ・パーソナリティーとして大統領やノーベル賞受賞者など、多くの人々と会話をしてきたヘッドリー氏。
カリフォルニアの阿川佐和子がそのスキルを紹介します!
■簡単に説明すると(目次)
会話が人間関係を築く
人と関わりのない生活を想像してみてください。私たちは人間関係から無限大のストレスを受けていますが、反対に恩恵も多いということに気づきませんか?学校では友達の存在が机と向かう日々に彩を添えます。
悲しみを減らし喜びを何倍にもしてくれるのは仲間という理解者があるからです。
ビジネスの場面ではプランの構築に多くのサポーターが必要です。
他の会社から仕事を受注したり発注できるのも、取引先や顧客が動いてくれたからです。
嫌いな人とも会話をしなくてはいけなかった
ラジオ・パーソナリティーという仕事は、苦手な人と向かい合わなくてはいけないだけではなく、どんなに卑屈な人であろうとその人から言葉を引き出さないといけません。相手を満足させないといけないのです。
上手く会話するための10のスキル
ヘッドリー氏は、話し相手と自分の時間を無駄にせず、相手を退屈させず、そして傷つけないためのスキルを磨いてきました。ヘッドリー氏が紹介する10個のルール。一つだけでもマスターすれば会話を楽しめるようになるといいます。
①会話相手に向き合おう
とても簡単なこと。ながらトークをしないということです。会話に集中しましょう。カフェで会話した相手が、スマートフォンをいじりながら適当な相槌を打っていたら、嫌な気分ですよね?
反対に、どんなに口下手でも真剣に自分の話に耳を傾けてくれたらすごく話しやすいです。
今晩の夕飯の献立だとか、ソーシャルゲームのメンテナンス時間なんて考えるのはやめましょう。
②一方的に主張するのをやめよう
自分の意見を相手の反応や意見なしに言い張りたいのなら、ブログにしてください。ヘッドリー氏は”誰でも何かの専門家”なのだというように考えることが大事だといいます。
名優ビル・ナイの言葉です。
「出会う人の誰もが自分の知らない何かを知っているのだ」
会話する際には自分の意見を相手の隣に座らせて、双方の立場に基づいて話すといいのです。
③自由回答の質問をしよう
今回ばかりは、芸能レポーターを参考にするのがよいでしょう。芸能人の囲み取材の様子をイメージしてください。
レポーターたちは、「いつ」「どこで」「誰が」「何を」「どのように」「どうして」で始まる質問をしています。
相手が回答するときに自由度があります。
対して、「あの件はご存じだったのですか?」「時間は正午ですよね?」という聞き方は、
「はい」「いいえ」で答えることができるので、会話が広がらないのです。
④会話のシナリオを用意しないようにしよう
会話の流れに任せることが必要です。よく、何としても相手を楽しませようと意気込んでとっておきの言い回しや質問を準備しがちです。
しかし、それを披露しようとすると、だいたい話の文脈と無関係に終わってしまい、
話の盛り上がりをリセットしてしまうことになります。
会話とスクランブル交差点は、流れに身を任せるべきなのです。
⑤分からないことを伝えよう
知ったかぶりはよくありません。自分が分からないことは分からないので教えてほしいと正直に伝えたほうがいいです。
相手も話を広げることができますし胡散臭い印象を相手に与えずに済みます。
何より自分が楽じゃありませんか?
⑥相手の体験を特別視しよう
相手が話した体験を、自分も体験した似たような経験を持ち出したりすることで一緒にしてはいけません。下手をすると会話のネタと主導権を奪ってしまい、相手は気分を悪くするかもしれません。
会話は自己アピールの場ではないのです。
会話相手が体験したことを尊重して、相手がその時どう感じたのかなどについて聞いてあげるとよいでしょう。
⑦同じ発言を繰り返さないようにしよう
相手の反応が芳しくないのに、自分の言いたいことに対して返事が返ってこないからと言って、何度も主張するのはいけません。会話の流れに流されるままでいいのです。
自分が感じているよりも、相手は楽しんでくれているものですよ!
⑧小っちゃいことは気にするな
よく、相手の言い間違えとか思い込みって気になってしまいますよね。「あのよ、アメリカのトリンプ大統領が……」
「北朝鮮のキム・ウンジョンが」
心の中では違うだろ!っと言いたくてたまらないかもしれませんが、そういった細かい点は会話の筋には関係ないのです。
楽しい会話ではそういった名詞や時間、そして名前というのは記号のようなものなのです。
誰のことなのか、何を示すのかさえ分かればいいのです。
大事なことは話し相手と自分についてのことだけです。
⑨聞くことを大事にしよう
聴くことは誰にでも簡単に磨けるスキルです。相手の話を聞かなければ、2つの人影が同じ場所にいて無関係な言葉を叫びあっているだけです。
たて糸とよこ糸が一つの生地を織りなすように、相手の言葉をよく聞くことが大切です。
うんうんと頷いたり、
「そっか~、パンケーキ美味しかったんだね」
とオウム返しするのも聴く力のコツです。
「口が開いているときには何も学ばない」(ブッタ)
「多くの人間は理解しようと聞くのではなく、回答するために聞いている」(作家:スティーブン・コヴィー)
⑩簡潔に話そう
簡潔さをヘッドリー氏はミニスカートに例えています。いい会話はミニスカートのようなもので、興味を惹き付けるくらい短く、それでいて大事な部分をカバーできるくらい長くあること。
まとめ 相手に興味を持とう
以上、10個の会話スキルが紹介されましたが、どれにも共通することは相手に興味を持つということです。私たちの興味には、手元にあるスマートフォンが答えてくれますが、
目の前に座る人がその気持ちを満たすことができるのは、あなたが興味を持ってくれることなのですから。